あとがき    

え〜と……この話についての細かい設定や裏話などを語っていきたいと思います。
おそらくネタバレになるのでまだ物語を全部読んでいない方は見るのを控えた方がいいかと。




タイトルについて

Shadow of Mind……直訳すると心の影となります。
このタイトルは当初はヴィムを指してつけました。
キラーで残忍な行いをしていた頃のヴィムと、今の優しい心をもったヴィム。
前者の方が影として心の中に潜んでいる、それを表したものがタイトルだったんです。
ですが、話を進めていくうちにこれはヒュエナにも言えるのではないかと気がつきました。
討伐団にいて感情を殺していたヒュエナと、リスタでのどかに村長をやっているヒュエナ。
二つの人格を持ったことによって、そのどちらかに人は影を抱いてしまうのかも知れません。
これについては18話、19話辺りで出てきたと思います。



レイルについて

名前の由来は適当です。何となく決めた名前ですが、REIRU、とキーボードの配置が近いので割と打ち込みやすい名前でした。
この物語の主人公になるのかな。一番出番は多いと思うので。
初期段階ではクレスって名前でしたが、どことなくこっちの方がよさ気だったので変わりました。この辺りは作者の気分の問題です。
刑務所にザルガスに会いに行ったとき『君のような子供』と言われていたので容姿はそこまで大人っぽくないでしょう。
容姿については細かく設定していなかったのですが、まだ顔にあどけなさが残っているといった感じでしょうか。
歳は17歳ぐらいのつもりで書いていました。この話を書いているうちに作者がレイルと同い年になっているとは思いもしませんでしたが(^_^;)
真っ直ぐな心の持ち主と書きましたが、特別正義感が強いとかそういうわけではないと思います。
自分がこうと決めたことは、考えをまげないで突き進んで行くような感じでしょうか。
話を書こうと決めたときは、そんな設定なかったんですがやはり主人公には動いてもらわないと困るので……。



リーフについて

名前の由来は安易です。草タイプ→葉っぱ→葉っぱを英語で言う→リーフ、です。
レイルのパートナーであって、なおかつ弟のような位置づけです。つまりほとんどの場合レイルと一緒にいるわけで、出番はけっこうあります。
レイルがヴィムと一緒にラゾンの街に行くことになったとき、リーフを行かせるかどうか悩みました。
やはりヴィムと二人旅ってのは寂しいものがあるなと思い、リーフも着いていくことに。
結局レイルのいるところにリーフあり、みたいになってしまいました。
歳は14歳ぐらいだと推定。レイルよりはやっぱり年下で。
子供っぽさを出すために「ええ!」とか「うわっ!」とか感嘆詞をいくつか入れてみたり。
そう言えば、この話を書いていてキノガッサが好きになったような気がします。



セリアについて

名前の由来は適当です。レイルと姉弟そろって適当でしたね。
レイルの姉で科学者をやってます。あくまで自称ですが。
たびたびレイルとリーフを巻き込んで実験してます。
変色させてしまった鱗を返しに行かせるやり方は強引でしたが、セリアがレイルに頼まなければ、レイルがヴィムと会うことはなかったわけです。
出番はあまり多くないですが、かなり重要な役だったのではないかと。
また、ちょっとやそっとじゃ驚かない精神を持っていてレイルが初めてヴィムを連れ帰った時も平然としていたり。
常識が通じないところが、彼女の魅力なのかもしれません。
実験の腕は当てになりませんが、料理はそこそこ作れたりします。
歳は22歳くらいを想定。



ケルドについて

名前はドクケイルから取りました。
リメイク前はいませんでした、彼。ドクケイルが苦手なレイルをヒュエナが脅すシーンはあったんですが、ボールからは出さなかったという……。
なので今回は最初の実験室のシーンや、ヴィムと会話をするシーンを入れてみました。
よくセリアの実験に付き合わされて、なんだかんだ言いつつも楽しんでやっているようです。もちろん表には出していませんが。
その外見のせいか周囲から避けられた過去があるため、よく似た境遇のヴィムに共感を得、自ら語りかけた。
細かいことを気にしない性格のセリアに、救われたのも事実。態度は素っ気ないですが、彼女を信頼しているのは本当のようです。
また、ヴィムを訊ねてきたラインを見て、自ら席を外すなど空気を読めるような一面も。
歳は……19ぐらいかな。ぎりぎり20は行かないぐらいで。



ヒュエナについて

名前の由来は、風のような戦いをする人→風の音→ヒュー→ヒュエナ。多分ヒュエナが一番変な由来かな。
この話を一番最初に考えたときは、リスタをヒマワキシティとしてヒュエナをナギとする案もあったんですが。
オリジナル設定でキャラもオリジナルの方が動かしやすいかなということで、彼女になりました。
昔、キラーに故郷を滅ぼされた過去を持っていて、それが理由で討伐団に入ります。
ラインをパートナーに置き、なかなかの実力を持っていたご様子。でもヴィムには負けてしまいましたが。
戦いに身を置いていた頃は、鋭い言葉遣いの女傑といった雰囲気でした。
ですが今は、穏やかな物腰で冷静に物事を見極める、若いながらも信頼されているリスタの村長です。
歳は27、8辺りかな。30はいって欲しくないという個人的な希望も入ってますが。



ラインについて

名前の由来は、ケルドと同じくフライゴンという名前を文字ったものです。
ラインも最初の案で話を進めていればいなかったでしょう。もしヒュエナをナギとしていればラインはチルタリスになっていたでしょうから。
ヒュエナのパートナーであって、そして家族のような存在として描きました。
旅をしていたヒュエナと出会い、行動を共にするようになりました。
自身が信頼を置くヒュエナの故郷がキラーの襲撃を受けたとき、討伐団に入ることに躊躇いはなかった様子。
ヒュエナとはかなり強い絆で結ばれていることは言うまでもないでしょう。
ヴィムと刃を交えたこともありましたが、その後の話し合いで和解しました。
ラインとヴィムの戦いは、この話唯一のバトルシーンなので気合いが入りましたね。
もともとバトルに重点を置いた話ではないため、自然と戦闘は少なくなってしまうのかもしれません。
歳は23歳ぐらいかなあ。なんとなくヒュエナよりは下かなと。



ザルガスについて

名前の由来は、濁点を名前の中に二つ以上入れると悪っぽい名前になるかなと思い。
最初は、ヴィムの過去の中でしか出す予定はなかったのです。ですが、ヴィムがリスタに加わった後の話を続けるなら、彼のことを書けば進めやすいかなと思い、レイルを刑務所に向かわせてみたり、昔医者だったというエピソードを入れてみたりしました。
信じていた友に裏切られ、絶望し、凶行に及んでしまった。でも、根っからの悪人とかそういうのではありません。
それだとあまりに単純過ぎるので、刑務所では詳しく過去を語ってもらいました。
やはり出番は少なかったですが、重要な役です。
ヴィムに会いに行ったのが6年くらい前だと言っていたので、37歳辺りを想定。そんなに若くはないですね。



ヴィムについて

名前の由来は、どことなく傷を負ってそうな名前なので(どんなだ
この物語の第二の主人公……になるのでしょうか。第二部からは、ヴィムを中心に話が進んでいくと言ってもおかしくはないでしょう。
キラーでの行いから『蒼の殺人鬼』として恐れられていました。
なぜこの殺人鬼の役割に、ボーマンダを選んだかというと、まずドラゴンポケモンを出したかったというのがあります。
そして、人々を容赦なくなぎ払っていく凶悪なイメージは、自分の中で一番ボーマンダが合っていたからです。
殺人鬼としての行いは、12話で書いたつもりです。前後編に分けたあの部分は、第1部では一番力を入れた場面です。
過去には残忍な行いをしていた彼ですが、今はレイル達と共にリスタで暮らしています。
体が大きいので、家には入れませんが……。
ヴィムをザルガスに会いに行かせようと思ったのは、話をさせるためでもありましたが、レイルを一度はヴィムに乗せて飛ばしたかったという作者の希望もありました。
歳の方は、言葉遣いや落ち着いた様子から、34歳ぐらいかな。
六年前にザルガスと会ったときから、そんなに歳は取っていないと見ています。
歳を取るスピードが、ポケモンと人間が同じとは考えにくいので。



占い師について

見た目は優しそうな雰囲気の中年女性ですが、なかなか鋭い部分があります。
少ない会話の中から、レイルとリーフの名前を聞き取り見事に言い当てたのもその一つでしょう。
ザルガスに会いに行くことに、迷いを抱くレイルに助言を与える役……だったんでしょうか。
占い師と言うよりはアドバイザー的な役割だったかもしれないですね。本当に占いの力があるのかどうかは分かりません。
ですが、その語り口調に不思議と人を納得させる力があるのは事実のようです。これは彼女自身がもつカリスマのようなものなのでしょう。
名前は出てきていませんし、もともと名をだすつもりもありませんでした。名前を明かさないほうが、占い師っぽい不思議さがあるような気がしたので。
中年と書いたので、歳は43あたりかなと。



最後に

リメイク前の話は、5ヶ月で書き終えていました。
リメイク後は14ヶ月かかっています。およそ3倍。以前の文章よりは説明文も、増え分かりやすくなっていると信じたいです。
32話とプロローグ&エピローグを全て書き終えたときは、書いている途中は非常に長い道のりに感じられたのに、いざ終わりに差し掛かってみると本当に早く感じました。不思議なものです。
ここまで書き続けられたのは、やはり作者自身が書きたかったからというのもありますが、何よりも読んでくれている人がいたからです。
ここまで読んでくださった読者の方に、心からの感謝を。


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